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らない。この場合において、国際航海に従事する旅客船にあっては、同項第一号に規定する場所に設ける当該非常照明装置は、主電源からも給電することができるものでなければならない。
2・10・7船灯
船灯とは、海上働突予防法及び海上交通安全法による船に掲揚される灯器をいい、航海中に掲げるマスト灯、げん灯(左げん紅、右げん緑)、船尾灯。停泊中に掲げるものには白燈、運転不能の船が使う紅灯、漁撈中の船が漁業灯等がある。船灯は、船の運行上きわめて重要なものであり、夜間は瞬時も停電を許されない。したがって、電球のフイラメント断線などを考慮して、二燈式船灯を装備することが近海以上の航行区域の船に使うことが義務づけられている。船灯用電球はかご形の縦線でタングステンフィラメントをもつ横方向に多くの光束を出す耐振形の真空電球が要求される。
註:船灯の種類と主要目は電気装備技術基準編(その2)による。
2・10・8信号灯及び標識灯
他船又は陸上施設等に自船の意志を光学的方法で伝達するのが信号灯であり、これには昼間信号灯がある。また船の状況を示すものにスエズ運河信号灯、推進器に小型船が接近しないように設けるプロペラ信号灯(紅灯)、球状船首をもつ船の船首に小型船が衝突しないように設ける球状船首注意灯等がある。

 

2・11 船内通信装置

船に使われる通信、警報装置は船の自動化を含み多種多様である。したがって、それらのすべてを述べることは困難なので、本書ではおもに従来から使われている代表的な装置について述べる。
2・11・1電気式エンジンテレグラフ及び電気式ラダーアングルインジケータ
電気式エンジンテレグラフはシンクロ電気又はランプを使った有線式通信機で操船場所(主として操だ室)と主機関操縦場所との間に設けられ、機関の運転状態の指令伝達に用いられる。一般的なシンクロ電機式テレグラフは図11・1に回路例を示す。
なお、ラダーアングルシンジケータはシンクロ電機の同期性を利用したものであり、図11・2に一般的な回路を示す。

 

 

 

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